« | »

2008.11.15

Road to the Top.


 Jリーグの昇降格も熱い(ま、一部決まって熱くないチームもありますが、紫のとことか、赤黒のとことか)ですが、下部リーグも熱いです。J1、J2に続く3部に相当し、Jリーグへ最後の関門であり、アマチュアリーグ最高峰でもあるJFL、4部に相当する各地域リーグ優勝チーム(を中心に)争われる、JFL昇格への狭き門、地域リーグ決勝大会。
 Jリーグの将来像として、J2が22クラブと定められてしまったんで、今のウチにという気持ちもあってか、各クラブとも必死です。
 今年もこの時期がくると、観戦もできないのにわくわくしてしまいます。


 まずは3部相当のJFL。後期14節を終わり、残りは3試合。
 
     勝点 得失
1ホンダ 69 +30
2栃 木 58 +20
3富 山 57 +18
4岡 山 55 +21
5鳥 取 54 +20
6武蔵野 53 +11
7流経大 51 +5
8刈 谷 47 +14
 4位以内かつJ準会員であれば昇格できるんですが、相変わらず企業チームのホンダが強い。3節を残して優勝を決めてしまいました。昇格しないチームなので、残り枠は3つ。(今奇数だから、3チームくらいが丁度いいんだけどな・・・)
 現在、3つの枠を争っているのは岡山、栃木、富山、鳥取の4つの準会員クラブ。(北九州はもう目が無い)
 4位以内が絶対目標の準会員クラブと、一つでも上の順位で終わりたいクラブ、大学生チームによる熾烈な争いは最終節までもつれそうな勢いです。残りのスケジュールは、
 後期 第15節 11月15日(土)、11月16日(日) 武蔵野-岡山
 後期 第16節 11月22日(土)~11月24日(月) 岡山-栃木
 後期 第17節 11月30日(日)        富山-岡山
 ですが、上位同士の試合をピックアップしてみたら、岡山がかなり不利な状態。おそらく残り3節全勝するのは厳しいと思われます。そうなると、現在1差で枠外にいる鳥取が滑り込む可能性もあるし、他の武蔵野、流経大にもチャンスがあるって事に。
 これから3週間、週末が凄く楽しみです。
 あ、一つ心配毎が。仮に4位以内に入っても栃木、岡山、鳥取は財政面等で弾かれる可能性があるんだとか。決まってからガッカリってのはあまりにも可哀想。どうかそうはならないよう、各クラブのフロントは頑張って欲しいものですね。
 で、もう一つの熱い戦い。地域リーグ決勝大会です。
 熱いだけじゃなく過酷。この大会、過酷。
 グループリーグ(各会場)
  11/22~11/24
 決勝ラウンド(石垣島サッカーパークあかんま)
  11/28~11/30
 上記のJFLが一週間1試合ペースなのに、こっちは4チームによる総当たりの予選リーグを3日で、つまり1日3試合の過酷なスケジュールで、グループリーグを通過(1位のみ)したら、翌週も同じスケジュールで試合という大会。勝って昇格(決勝1、2位が自動、3位が入替戦)すれば良いですが、結果を残せなかったら悲惨。特に決勝4位なんてもう・・・。
 でも、だからこそ燃えるという話もあります。その熱さをシンプルにかつ力強く教えてくれる素敵PVがあるので、是非ご覧あれ。
 さて、今回の地域決勝大会を語るのに、忘れてはならないのが、東北1部所属のNECトーキンサッカー部。東北1部リーグでこそグルージャ盛岡との最終節直接対決によって敗れたものの、全国社会人サッカー大会(通称全社)で2位に入り、見事全社枠での地域決勝参加を勝ち取ったチームです。
 地域決勝での活躍が期待されていましたが、NECトーキンの3年連続赤字となる収益悪化により、今月頭に休部が宣告。来期JFLに昇格する成績となっても、JFLに参加出来なくなったため、地域決勝を辞退する事となってしまいました。選手たちのショックは計りしれませんし、周囲も驚いたことかと思いますが、もっと驚いたのが、北信越1部で今年4位に終わり、背水で望んだ全社でも3位決定戦でホンダロックに敗れて涙を飲んだ(全社1位と2位が出場枠だが、北信越1部で優勝した長野パルセイロが優勝したため2位と3位が枠だった)、松本山雅FCが繰り上げ出場となった事です。
 松本山雅の関係者やファンにとってみれば、一度は絶たれたJFL昇格の望みが、再度復活した事で望外の喜びだったことでしょうが、その決定には不審な点があります。JFA公式参加要項によると
 1.各地域リーグより1チーム(各地域優勝チーム。9チーム)
 2.前回大会決勝ラウンド進出チーム(岡山、FC Mi-O、北九州、バンディオンセ神戸)の所属地域より1チーム。(中国2位、関西2位、九州2位。3チーム)
   ※関西2チームだったので、今年は3枠。
 3.JFL入りを希望する大学サッカー連盟所属より1チーム(学連推薦なし。0チーム)
 4.JFA優遇措置を承認された1チーム(JFA理事会推薦なし。0チーム)
 5.全国社会人サッカー選手権大会1位チーム。(1チーム)
   ※1位が既に各地域リーグで出場権を持っていたら、2位、2位も持っていたら3位。
 
 とあります。ここまでは何の問題もありません。今年はこの5項目により、13チームの出場が決まりました。
 昨年までと違い、今年は16チームによる開催を決定していたため、以下のルールで補充する事になっていました。
 (1)全国社会人サッカー選手権大会より1チーム
   ※2位が既に各地域リーグで出場権を持っていたら、3位。
 (2)前年度各地域の全社連登録数の比率で配分する。(元々2枠の地域を除く)
   (関東、東海、北海道、北信越、四国、東北の順)
 
 (1)により、NECトーキンは出場の予定でした。そして(2)により、関東、東海の2位チームが追加されて3チーム。この予定だったのが、NECトーキンが辞退した事により新たに1チーム補充する事になったのです。
 参加要項上、辞退チームが出た場合を明記していませんでした。そのため、全国社会人連盟から、全社4位の松本山雅FCに参加の打診があり、それを地元紙が報じた所、上記(2)による北海道2位チームが出場するべきではないかとの声が上がったのです。
 
 ここからは穿った見方になるのですが、毎年草刈り場と言われるように北海道代表は地域リーグ決勝大会で良い成績を残していません。そのため、1位のノルブリッツ北海道はともかく、2位の札幌蹴球団を出すくらいなら、Jリーグ入りを明確にし、アルウィンという立派なスタジアムを持った松本山雅に参加してもらって、Jリーグへ挑戦するクラブを増やした方が良いのでは無いか、と主催者が思っても不思議ではありません。「地域より出場チームがない場合は、全国社会人連盟で裁定し配分する。」という一行を持って、独断によるチーム補充があった、のではないかと思います。
 
 今年はやむをえないですが、次年度以降は、もっとはっきりした参加要項を定め、密室によることのないクリーンな決定を望みます。あと、ついでですがグループリーグの組み合わせも、全国社会人連名が内々で行っているようですから、そのあたりも是正して欲しいですね・・・。
 閑話休題
 
 ちょっとしたゴタゴタはありましたが、熱い大会である事にはかわりありません。
 (むしろ山雅が入ったことでより・・・)
 グループリーグの組み合わせは以下の通りです。
グループA 本城陸上競技場(北九州市)
 AC長野パルセイロ(北信越/長野)
 株式会社ホンダロックサッカー部(社会人大会枠/宮崎)
 沖縄かりゆしFootball Club(九州/沖縄)
 バンディオンセ加古川(関西/兵庫)
グループB 高知県立春野総合運動公園球技場
 カマタマーレ讃岐(四国/香川)
 日立栃木ウーヴァスポーツクラブ(関東/栃木)
 V・ファーレン長崎(九州/長崎)
 アイン食品株式会社サッカー部(関西/大阪)
グループC とりぎんバードスタジアム(鳥取市)
 RENOFA YAMAGUCHI FC(中国/山口)
 静岡フットボールクラブ(東海/静岡)
 Grulla盛岡(東北/岩手)
 松本山雅フットボールクラブ(社会人大会枠/長野)
グループD コカ・コーラ ウエスト スポーツパーク(鳥取市)
 佐川急便中国サッカー部(中国/広島)
 FC町田ゼルビア(関東/東京)
 矢崎バレンテフットボールクラブ(東海/静岡)
 クラブフィールズノルブリッツ北海道 (北海道)
 各グループ1位が抜けのリーグですが、ほとんどのグループリーグにJを目指すチームが複数います。
 以下はチラシの裏になりますが、各リーグの願望も込めた予想を書いてみます。
・グループA
 長野、加古川(旧バンディオンセ神戸)の2チームがJを目指しているチーム。
 しかし、天皇杯で健闘した沖縄かりゆしも侮れないし、過去にこの大会を勝ち上がってJFL昇格(その後降格)した、ホンダロックも侮れません。全社では、長野がホンダロックに快勝している事から、長野有利かとも思いますが、全く予想のつかない死のグループです。個人的には長野に上がって欲しいと思っていますが。
・グループB
 ここも讃岐、長崎の2チームがJを目指しています。讃岐以外は全て各地域2位なので、讃岐有利とも思われますが、正直なところ四国リーグは北海道リーグと並ぶほどの・・・。なので、激戦のKyuリーグを勝ち抜いてきた長崎を本命、対抗を讃岐と見ています。
 
・グループC
 山口、静岡FC、盛岡、松本。全てのチームがJを目指しているチーム。とは言え、一強の岡山が抜けた後の中国リーグから初出場の山口、地域決勝の常連(つまり毎年敗退している)である静岡、トーキンを僅差で交わした盛岡、そして先述の松本。グループAに比べるとちょっと落ちる感は否めません。本命は、何年目の正直かわからない静岡、そして天皇杯で湘南を下した松本が対抗かなと。盛岡にも上がって欲しいんですけどね。後ろから福島が迫っている事ですし。
 
・グループD
 Jを目指しているのは町田のみ。他に比べて明らかに「落ちる」グループに見えます。若手中心かつ10人の札幌に引き分けるのがやっとの北海道と、山口同様、一強の抜けた中国リーグで2位の佐川中国、東海2位の矢崎。この顔ぶれでは関東を独走した町田が大本命というリーグでしょう。
・決勝ラウンド
 今ここで決勝を云々するのは意味がありませんが、長野、長崎、静岡、町田が出たとして、地理的にはやはり長野。あとは長崎、町田に頑張って欲しいと思っています。
 
 
 全く無関係な私がこれだけわくわくしているんだから、各クラブ関係者はどれだけドキドキしている事でしょうか。
 上で予想を書いてますが、この中で今年見たのはノルブリッツだけ。まるで当てにはなりません。
 また、3日集中開催の過密日程ですから、天候はもちろん、疲労、負傷、警告、退場と、様々な要素が、実力を十二分に発揮できたり、或いは十分には発揮できない状態になったりする事でしょう。
 去年も予想と全然違う結果になりました。今年はどんなドラマが生まれるのか、本当に楽しみな大会です。

2007年版も。

Trackback URL

Comment & Trackback

No comments.

Comment feed

Comment





XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>